ブルー(整備士)からホワイトカラー(営業職)

私は、専門学校を卒業してから25歳まで整備士をやっていました。5年目に上司や先輩を見て自分の将来に不安を感じていた私は職場に対する不満もあり退職を決めました。新しくする仕事を迷いながら惰性で土方の肉体労働系の仕事をしているうちに何かやったことの無い仕事で将来に夢の持てる仕事をしたいと漠然と思い、そんな時に小学校からの友人に誘われ初めて営業をしたりパソコンを使う仕事をするようになりました。

最初のうちは会社での会話内容に聞きなれないカタカナの言葉が多くて何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。友人や他の方は分からない事にびっくりしていますが、逆にそんな言葉が当たり前のように使われている事に驚きました。私はパソコンを使用した事が殆んど無く、仕事でも整備士の頃に決められた範囲の部分を使うことしかなかったので、ワード、エクセル、パワーポイントという物が会社で普通に使われる物という事も知りませんでした。

パソコンを使用した業務は何もかもが未経験で戸惑う場面が何度もありましたが、エクセルで表を作り、ワードで企画書を作成、パワーポイントで資料を作ったりと日々学ぶことがすごく新鮮で楽しく過ごせています。テレアポで新規のお客様に電話してアポイントを取り、一から顧客を作ることも経験できています。既存のお客様だったりブランドの集客力の大切さが身にしみて分かります。私の友人が営業の担当者なのでお客様と会った際のマナーや話し方などを教えてもらいましたが、本当に自分は何も知らないんだなと感じます。プライドはズタズタです。大学を卒業して企業でのオフィスワークを経験した方にとっては本当に当たり前でも現場の経験しかない私にとっては未知の領域です。まだ若いうちに経験しておいて良かったと思います。

私が勤めている会社はベンチャー企業で参考にならないと思いますが、福利厚生は殆んどありません。整備士で働いていた頃はわりと大きな会社でしたので福利厚生は充実していたし、ボーナスもしっかり出ました。火曜日が定休日でプラス4日間ほかの方との休みを考慮しながらではありますが好きなときに休みを取ることができました。

現在は仕事と休みの区別が曖昧で仕事の終わりの定時なども存在していません。日曜日は休みという事にしていますが連休などは無く、仕事があれば休みは関係ありません。このように書くとすごいブラック企業のように思われるかも知れませんが、そんなことは無くフレックスタイムを導入していて仕事が無ければいつでも帰れるような状態です。それというのも会社の社長が外資系で育った人でやることをやればいつ帰ってもかまわないというスタンスの人だからです。

現在はビルの一室のオフィスで自由に仕事をしています。部屋でタバコも吸えますし、コーヒーも飲めます。休憩の時間と言うものは無く、常に仕事で常に休憩です。整備士や土方の頃は仕事には休憩の時間が決められており、終了の定時があり基本的には時間ごとの区切りで仕事をこなしていました。一歩間違えば悲惨な事になるようなフレックスタイムですが、私の職場ではサービス残業を強要したりという事はありません。ただしそこは外資系で育った方なので結果の部分に関しては厳しいです。仕事の時間でも好きなことをしてかまわないが結果を出さないなら必要ないと言われます。やることが終わらなければ永遠に仕事ですし給料も出ません。ベンチャー企業なんてそんなものなのかも知れませんが、この会社が初めてなので基準が分かりません。

私の想像していたホワイトカラーはなんというか華やかなイメージでしたがそんなことも無くなんだか泥臭い仕事を結構やっています。自分のスキルの無さもありますが、営業や書類の作成がこんなに大変な事とは想像していませんでした。現場にいた頃は体も動かさず事務所に座っている営業さんをちょっとうらやましく思っていました。それというのも私が営業さんだったり事務の方の仕事を理解していなかったということに気づかされます。

今後転職をして、まったく違う仕事をする際は仕事の内容をしっかり理解して経験者の話に耳を傾けないといけないと思います。しかし私は後悔していません。一生整備士だったらパソコンはあまり使えるようにはならないでしょうし、歳を取ってブルーカラーからホワイトカラーの仕事をするのは大変だったと思います。ですが、何の仕事でもやる気があれば何とでもなります。新しい会社に入った時、情熱を注げるのか注げないのかでその人がその会社でやっていけるのかが決まると思います。私はこれからも自分のために頑張ります。